2018.6.9 ゼロからイチを作ろう! ~草とり&ジャガイモ芽かけ&トマト苗結び・株分け~

 

小雨降る中、カッパと長靴、帽子をつけて畑に集合しました。

10度の気温差にオクラの苗は寒がって元気がありませんでした。

でも、子どもはどんな日も元気ですね。

もりのようちえんでは、天候に関わらず、基本外で活動します!

雨の日は室内遊びと思っていた私は最初は「えっー!!?」と思いましたが、子どもは案外楽しそうで、装備さえきちんと準備してあげれれば雨の日は雨の日なりに、雪の日は雪の日なりに、楽しめることもあるもんだと今は思います。

お気に入りのカッパと長靴と傘があれば、雨の散歩も楽しいものです。

ただ、青森の気候は寒いので雨の日もガンガンでようというよりは、中庸にでいいと思います。

この日はボランティアのお父さんがガンガン火を燃やし、畑の後に身体もお腹も温まれるように準備してくださいました。

畑作業の始まりは雉(キジ)と烏骨鶏の鳴き声からスタート!

子ども達が何か鳴いていると探しに行くと、桃太郎に登場するあの雉でした!

発見した子どもたちは、すごく嬉しそうに大人の手を引いて「見せてあげるからおいで」と発見の喜びを伝えていました。

畑の先生のお宅では烏骨鶏を飼育されていて、鶏の脚は三本だと言っていた女の子が、確認したら二本だったと報告していました。

保育の先生が、「うこっけーい!!」と子どもが呼ぶと、烏骨鶏が跳びあがるのが面白くてみんな喜んでいたわよと教えてくれました。

生き物との出会いも楽しいですよね。

みんな集合したら、挨拶をして、今日の作業を開始です。

雑草抜きは、作物が育ちにくくなるので大切なお仕事、なるべく丁寧に抜いてあげましょうということでした。

他は、育てている作物に合わせて、苗を添え木に結んだり、自然肥料を与えたり、脇芽をまびいたりと様々教えていただきました。

◆雑草抜き◆

雑草抜きは地味ですが、みんなカッパを着て一生懸命もくもくと手を動かしました。

小さい子たちは砂遊び道具で土いじりしている節もありましたが、今は携帯やネット社会、電磁波の影響を少なくするためにも土いじりは効果があると言います。

格好良く言うとアーシングというそうです。

裸足で30分地面に立つとよとされていますが、手でもきっと効果がありそう。

ビーチなどリゾート地にいくとリフレッシュして帰ってくる方も多いと思います。濡れた地面と接することで、体に蓄積された静電気が放出され、地面から大地のエネルギー(マイナスエレクトロン)を取り入れることで中和でき、赤血球が増えて血流がよくなるそうです。

畑に毎週行っている子どもたちはきっと大地からも沢山エネルギーをもらっていますね!

◆トマト◆

先週は袋の高さよりも低かったトマトの苗、袋を飛びこして伸び伸びと成長していました。

そろそろ風に倒される危険があるので、添え木に紐で軽く結んであげました。

成長した苗の一部、脇芽をとって畑の空いているスペースに植えました。

そこからまた根が生え、芽が伸び、トマトがなるそうです。しかも、次期がずれるので、親苗のトマトの収穫の後にまたトマトを楽しめるという素敵な植え替え作業でした。

写真では見えにくいのですが、なんとミニトマトが三つ実っているのを発見して、ものすごく嬉しくなりました。三週間でトマトは実になるんですね。赤くなって食べるのが本当に楽しみです。一番の収穫の時には、畑でそのままの味を子どもたちと楽しめたらと思います!

 

◆じゃがいも◆

雑草抜きの後は、トマト以外の作物、主にジャガイモの周りに自然の肥料を与えました。バケツに肥料をくんで、子どもたちは競いながらせっせと肥料まきをしてくれました。

ポイントは土にまき、葉に当たらないようにまくこと。肥料がついた葉は枯れてしまうそうです。

ジャガイモの周りに肥料をまいたら、土を鍬でよせて、育ってきたジャガイモが土からでないようにします(土寄せ)。日に当たると、ジャガイモの皮が緑色になり、ソラニンという有毒物質が発生し、食べられなくなるのです。

最後に、大きな芽を二本だけのこし(芽かけ)、ジャガイモが大きく育つように工夫していきます。

芽を抜くときは、土を押さえて、一緒に太い芽も引き抜かないように手をかけました。

◆葉物◆

三人家族で参加の方も葉もの野菜の芽が沢山出ていたので、間引いていらっしゃいました。

お家でもトマト等を栽培されているそうで、お父さんは手慣れたものです。

少し雨脚が強くなってきたので、畑作業を切り上げてガレージの火で温まりながら、てんぽ煎餅を焼くことにしました。

「材料は、小麦粉、塩、水、以上!!

耳たぶ程度の柔らかさ、こぶし大の大きさの塊を作ってやきましょう!」

多くは語らずとも後は肌感覚で、失敗しながらも、美味しい煎餅をみんなでやいてみようとスタートしました。

粉と塩を一つまみいれて、水をいれ、

水が多すぎたと粉を入れ、粉が多すぎたと水を入れ、

結局二枚分になったと、笑いながらせっせと焼きました。

てんぽ煎餅を焼くのは意外と力仕事、交代しながら美味しい煎餅を焼きました。

この煎餅焼き器は、八戸市の八幡神社の近くのお煎餅やさんから譲りうけたそうで、戦前のものだそうです。実は、一家に一台煎餅焼き器があることが当たり前の地域で、戦時の鉄砲の玉にするために煎餅屋以外は国に提供しなくてはならなかったのだそうです。そんな歴史を通ってきた煎餅焼き器の煎餅をほおばる未来の子供たち。江戸や明治の人も同じ煎餅を食べていたのかな。

子どもたちも二枚ずつはほおばっていたかな。

シンプルなのに味わい深くて本当に美味しかったです。

袋のお菓子を開けるよりも、とても楽しいおやつの時間になりました。

お腹がいっぱいになったらやっぱり遊びの時間。

煎餅を食べていたレジャーシートがお家に変わり、お布団に変わり、キャッキャッという笑い声が絶なくて、子どもが笑う空間っていいなぁとみんなが思いました。自然と大人も笑顔になるし、子育てを終えた畑の先生や保育の先生は、本当に目じりを下げて温かい笑みで子どもたちを見守ってくださいました。何回かしか参加していない子は、それを見てニコニコしていたけれど、次は一緒に遊べるといいね。大人になると「友達ってどうやってつくればいいのだろう?」と思うことがあるのですが、子ども達みたいに「一緒に遊ぼう」って単純にそれだけでいいのかもしれません。

畑に植えた種のように素直に、煎餅の材料のようにシンプルで、人間関係を複雑にしているのは大人だけ、自然に習って子どもに習って、もりのようちえんでは関わる全ての人に学びがあるような気がします。

次の畑では、どんな成長がみられるでしょうか? 今から楽しみです!

帰り際、畑の向いの地にまだ雉がいました。雉がいた場所、実は今遺跡発掘調査が行われているので、不思議な線や棒がたっています。平日はせっせと遺跡発掘が行われているんですよ。

このあたりは、根岸遺跡というそうで、蕨手刀(わらびてとう)や挂甲(けいこう)の小札が出土した大型の竪穴住居跡。蕨手刀は古墳時代の刀で、主に東北地方(蝦夷と呼ばれていた)で作られ、反った刃が馬上の戦いでかなり有効で、強かったそうです。そのころの日本の中心は奈良のヤマト王権、そちらは直刀で人を切るには向かない突くだけの刀なので、東北の蝦夷の人々との闘いには苦戦したそうですよ。戦いの時に切る甲冑が挂甲、埴輪がきているような甲冑です。甲冑を形作っている四角いうろこのようなものを小札といい、鉄を小さく裁断したもの。

子どもたちが雉をみて喜んでいた足元にそんなにすごい遺跡があったなんて、煎餅焼き器に続き、日本人の歴史を身近に感じることができるロマンがたっぷりの日でした。

追伸

小雨降る寒い気温だったので、森遊びは中止して、はやめに解散でした。私は最後に帰る車でした。雨脚が強くなるのに、遠くで畑の先生がずっと立っていて、最後の人まで見送ってくれました。子どもは車に乗るまで何度も振り返って先生に手を振っていました。車に乗ってからも見送ってくださっていたので、私たちは先生の近くを通って帰ることに。子どもも喜んで「先生また遊ぼうね!先生また遊ぼうね!」と大きな声で叫んで、タッチしてお別れしました。人を見送る時は私もこうしたいと思いました。今日一番感動したことでした。

(おいらせもりのようちえん ブログ担当 まな)