2018.5.25 もりのようちえん 平日開催へ向けて

 

もりのようちえんでは、平日に未就園児の自主保育や預かり保育が出来るように

今、森の遊び場や面白いこと、子供と一緒に出来ることを探しながら実験・検証しています。

土日のイベントとは一味違って、素朴に子供たちの生きる力を見守りながら、その季節や時間を過ごせたらと考えています。

土日のイベントでは、親子で楽しい時間を過ごして、子供達の笑顔やお母さんお父さんの笑顔がたくさん生まれるように、親御さんの愛情をたくさん感じる時間になるようにと企画しています。

そんな時間はこどもに「愛された記憶」として残り、こどもの自己肯定感に繋がると思うからです。

 

一方で、親たちもこどもと一緒に楽しめるように企画する「みんなが楽しい企画」は、こどもの成長のチャンスを奪ってしまう場面もあると、私たちは考えます。

自分の子どもがケンカをしている、ものを取り合う姿を見れば、楽しい気分にはならない人が多いはずです。

「かしてあげようね」

「どうして叩いたの?」

「ダメでしょそんなことをしては!!!」等・・・

我が子と他人様の子とのトラブルを解消するのも、イライラする自分も感じたくない方も多いと思います。

でも、子どもたちは、ケンカや取り合いの中でも人間関係、自己主張、他人と協働する力を学んでいます。

それが自分の子どもで無ければ、なぜかそんなにイライラしないし、ほほう勉強になっているんだなぁと、成長の過程を楽しむことができるのですが、当事者では難しいことが多いですよね。

子供の方も親を頼って、泣いて、本当の問題は解決も納得もしないままのことが多いと思います。

 

平日開催のもりのようちえんでは、その部分にもゆっくり時間をかけていきたいと考えています。

子供たちの中でケンカしてもトラブルがおきても自分たちで解決して、「できた!」「楽しかった!」という喜びも感じて欲しいから、大人がサポートする部分もありながらも、こどもたちの力でやりきれるかなぁと思ったところは、急がないゆっくりした時間の中で、笑顔で信じて見守る。

こどもたちが壁にぶつかり、それを解決し、乗り越えていくのを、親である私たちもハラハラしながら、ちょっと手を出しながら、ちょうど良いバランスを悩みながら、みんなで支えあい、こどもが自分で乗り越えていくのを見守る。

 

笑顔で信じて見守る時間は、

親の「子育て力」も育んでいく。

こどもの「挑戦する力」も育んでいく。

そんな「すべてはこどもの生きる力を育てるために」完全にこどもの育ちにフォーカスした場作りを考えています。

 

40年間保育士として活躍されてきた、ベテランの保育士さんにも来ていただいているので「預かり保育」を選択することもできます。

親御さん自身の学びの為に自主保育に参加して、みんなで話し合いながら、一緒にこどもの「生きる力」を育む場を作ることもできます。

生きる力を自然の中で育み、こどもたちに幸せになって欲しいから、

私たちは挑戦していきます。

子供たちが幸せになるための、生きる力を自然の中で育む場の土台作りとして先週から毎週どこかの森に探索に出かけています。

今週はふたつの森に出かけ、お昼にひっつみ汁を作りました。

初夏の今は草が生い茂る前の絶好の森歩きの次期です。

三つの葉をもつツタウルシに気を付けながら探索。 (ツタウルシを触るとかぶれます !)

今回見つけた面白い植物は「ハナイカダ」

よく見ると葉っぱの上に花のようなものが咲いているのです。

葉っぱを筏(イカダ)に、花を人に見立ててつけたネーミング。

たくさんあるのに、子供たちは競い合って葉っぱをとっていました。

「隣の芝は青く見える」どうしても人が持っているものがよく見えるので、小さいほうは泣きながらの取り合いです。

一度スイッチが入ると「とられたくない」「相手のものが欲しい」で一日ケンカの絶えない日でした。

これが学びにつながるとはわかっていても大変。

先生と親と話しあいながら、ゆっくりと見守ろうとその日は過ごしました。

さて! 話題の「ハナイカダ」どの部分が葉っぱかわかりますか??

葉っぱの付け根から花までの部分に、ちょっと違う色の線が見えますでしょうか。

ここまでは葉っぱではなく「花の茎」、そして花から先端に向かっては「葉っぱ」なのだそうです。

花の茎と葉っぱの部分が何故か一緒になっているため、全体として葉っぱの上に花が咲いているように見えると、そういうことなんだそうです。

広場にはたくさんのどんぐりも落ちていました。

虫メガネをもってきたらよかったと思う位綺麗なコケも生えていました。

松ぼっくりにひとつずつドングリを差し込んだドングリツリーもできました。

拾ったどんぐりや葉っぱは大事な宝モノ。

置きっぱなしにしていても、忘れたころに探していました。

一つずつドングリを渡されたので、手に握りきれなくなった時にそっと地球に返しておいたら、

大切な宝モノがないと大騒ぎ。

次回からは、袋に宝物を入れて持ち歩いてもらおうかなと思います。

拾ったドングリは、ペットボトルに入れて楽器にしたり、ペットボトルに水とミックスされてドングリ水となっていたりしました。

子供の遊びの発想は面白いですね。

もう一つの森では食べるのも今が美味しい「フキ」を傘に遊びました。

先生曰く、三十分あればフキでお料理できるそうで、次回フキをとってフキ料理にも挑戦してみたいと思います。

この森はすっと伸びた杉の木が印象的で、かっこいい森でしたが、モミジ苺が群生していました。

モミジイチゴの実はオレンジ色で、味は甘さ控えめのさっぱりした上品な味だそうで、六月頃に食べられそうです。

モミジの葉っぱに似ていることからのネーミング。

五月初めくらいは白い花が下向きに可愛く咲いているそうです。

しかし、可愛い名前と苺の味からは想像できないくらい痛い棘があるのも特徴。

素敵な森なので、小さな子供達が安全に歩けるようにキコリさんに少しだけ手入れをしてもらおうかと考えています。

お昼はキャンプ場の炊事場で、ひっつみ汁を作りました。

ゴボウのささがきは五歳のおねえちゃんが作ってくれました。

ひっつみ団子は先生が作ってくれたのですが、団子にさわりたくてさわりたくて小さい人たちはうずうず。

お玉をどっちが使うのか、ボールに水を入れてどっちが遊ぶのか、ゴボウをどっちがもつのかでケンカしていた二人も団子を丸めてこねているうちに楽しそうな笑い声が遠くから聞こえてきました。

こねるも手をベタベタにしながら手伝い、鍋にはせっせとひっつみながら入れてくれました。

べたべたの手を、フワフワの石鹸の泡で洗うのも楽しそうでした。

家ではちょっと面倒なベタベタの手も、フワフワの手も、外ではどれだけでも遊べるので野外クッキングは楽しい時間になります。

ない材料もあったし、ない道具もあったけど、みんなで作ったひっつみ団子、お外で食べた味はとってもおいしかったです。

食べる容器が足らなかったのですが、子供たちはボールでがつがつと嬉しそうに食べていました。

お家ではできない大きなボールでの面白い食べ方、一人で机にのって食べてみたり、

みんなでお外で作って、おいしい美味しいと食べたり、特別な料理ではないけれど、

今日だけしかできない特別なひっつみ汁になりました。

小さいほうが遊びから戻ってきて、団子がもっと食べたかったと泣いていました。

今日は泣き虫の日、きっとそんな日があるのでしょう。

食べ終わった後に、毛虫が足元に遊びにきました。

面白い形で面白い動き、子供たちは一緒に遊んでいましたが、

しばらく遊んでいるうちに、

「動かなくなっちゃった」「棒でつぶしちゃった」と・・・

まだ「生きる」「死ぬ」ということが曖昧な子供たちですが、虫も一つの命です。

少し提案もして、子供たちなりにお墓を作ってお詫びしていました。

まだ「死」という概念も難しい頃だと思います。

大人だって実際に身近な人が亡くならないと実感できないものです。

自然の中に沢山ある「生」と「死」からも何か学ぶ機会となるような働きかけも行いたいと思いました。

もう一つの森の近くにはウサギさんと触れ合える場所もあって、子供たちは大喜び。

いつか森の中でも出会えたらいいですね。

ふたつの森の探検を終えた後、五歳の女の子とお母さんは自転車で颯爽と去っていきました。

家から一時間かけて森まで自転車できて、また無事に帰ったそうです。

たくましいですね。

颯爽と去る後ろ姿からも「生きる力」を感じました。

 

追伸

子供達をみんなで見守れたらいいね。

自分の子供が関わっていない人が間に入って交通整理してあげられたら

ケンカが学びのチャンスになると思う。

そんな言葉をもらって、泣き虫の母だった私は少し元気が出ました。

少し前NHKスペシャルで「ママたちが非常事態」という特集が話題になりました。

お母さんが一人ですべて解決できるわけではなく、

たくさんの人が関わっていくなかで行うのが人間本来の子育ての姿という内容でした。

自然の中で人間本来の子育てをみんなで協力して行える場になればと改めて思うのです。

 

(おいらせもりのようちえん ブログ担当 まな)