2018.4.30 もりのまなびば ~あそびとまなびの五感フォーラム 五感ってなんだろう?~

四月最後の日は、お天気もよく汗っかきの子供たちは半袖で参加してくれました。

この日は「五感ってなんだろう?」をテーマに、各分野の専門の方をお迎えし、いろいろな角度から子供たちと感覚を使って遊び、学ぶ一日となりました。

多彩な講師陣の詳細は以下パンフレットをご覧くださいね!

二歳から小学生までが参加した五感を刺激するさまざまなワークショップを中心にレポートしていきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

❶『スギノハ蚊取り線香』杉の葉っぱを使って、虫取り蚊取り線香をつくろう♪

これから外遊びが楽しくなると共に、蚊もたくさんででくる季節ですね。なんと、手作りで蚊取り線香が30分ほどで出来てしまいました!

子供たちは大人が思うよりも興味深々で参加して、可愛い蚊取り線香をたくさん作っていました。蚊取り線香をつくろうという気持ちよりも、粘土遊びや泥あそびの延長で、新しい手触りの杉の葉の粉、炭の粉、椨の木の粉を楽しんでいる様子でした。

「もっと作りたい人~?」と先生が声をかけると、ほとんどの子供が手を挙げて、追加の粉をアピールする姿に先生もびっくりされていました。この新しい感触の遊びに、子供たちはせっせと蚊取り線香を何個も作っていましたよ。

会場がオープンする前に、建物の周辺で集めたタンポポと野の花で花冠を作っていた女の子、五感を使った遊びってこういうことを言うのだろうなと感じました。実は男の子もお花集めが好きで、他のもり遊びの活動の時にも、お花を摘んではお母さんにプレゼントする男の子って多いんですよ。お母さんではなくてその中でも綺麗な人に渡すことも多いのですが、それも生まれながらに感性がいいなと感心せざるを得ません。

❷『アートイズ』つくることを通して、いろんな「はじめてのこと」に出会おう♪

午前中のアートイズは、少し年齢の小さい子向けの回でした。透明な傘に好きな色の絵具を塗って自分デザインの傘を作りました。

最初は、「えっ?傘にお絵かきしていいの?」という感じの様子が、スタートしたら一変して皆芸術家のように集中して制作していました。

一時間ほどの時間はあっという間で、四歳くらいの子は時間が足らないという子もいました。びっくりしたのが、大学生のお姉さんに手伝ってもらいながらですが、二歳の女の子がお母さんから離れてもくもくと傘に色を塗り続けていたことです。一言もしゃべらずに、丁寧に塗る姿に遠目に感動しました。逆に、お母さんに色と動物を指定して書いてもらってすぐに終わりという男の子もいました。でも、それは良い悪いではなくて、個性や「今」の彼らの状況、経験値を見るフィルターとして、非日常のワークショップは良い機会です。もちろん、そのフィルターが自然の中の散策であってもいいし、芸術的なものであっても、何か彼らの感覚を少しつついてあげるものを一緒に楽しみたいですね!

❸『音のデザイン』耳を澄まし、音をつづる、感覚の扉を開こう♪

音楽って騒がしくて大きな音が聞こえて踊りたくなる感じ♪というイメージもありますが、「音」って静かな中に聞こえる音、感じる音がありますよね。今日のワークショップはそんな静かな音遊びでした。

扉を閉めてしーんと静まった中で渡されたのは一枚の折り紙。折り紙をちぎる音、一回でちぎる、二回でちぎる、びりびり破く、歌に合わせてふーっと紙吹雪を吹き飛ばす。絵本の「じゃあじゃあ、びりびり」のように日常の音に気を付けて耳をすますこと。

ひらひらの綺麗な布をもって、風を感じながら、外に出で音のない音を感じる、足音に合わせて布を振る。絵本「かぜさん」の一場面のように、小さな男の子が目に見えない風さんと毎日遊ぶような感覚。

最後は、野原に輪になって、みたこともない外国の楽器を使って、音楽に合わせながら、お友達と協力しながら音を奏でる時間。天気もよくて、風も気持ちのいい日、外でアコーディオンの音に合わせて歌うのは映画「サウンドオブミュージック」の一場面のようでした。

個人的な感想ですが、女の子のほうが静かな音に対する感覚がいいのかもしれないなと思いました。男の子はやっぱり、音より音楽、静より動、動きたくてうずうずなのが肌でわかりました。きっとそれは本能で、女の子は小さい頃からお母さんになる準備をしているのだろうなぁと思いました。赤ちゃんの小さな泣き声とか、ちょっとした変化とか、音のないものを肌で感じる感覚は生まれながらのものでしょう。

❹『書アート』象形文字で、一人ひとりの個性が光る「木」の文字の書アートを書こう♪

集団でのワークショップの多い中、唯一個に対して開催された「書」のワークショップ。

二歳は二歳なりに、小学生は小学生なりに、今できることを一文字に託しました。

本物の大きな筆を握って、つづりの墨を付けて、大きな半紙に書くのは気持ちがいいものですね。

小さな子も一緒に筆を握ってもらいながら書きました。

どの子も嬉しそうに出来上がった作品を持ち帰っていました。

日本の「道」がつくもの、「書道」「剣道」「茶道」ほかにも沢山ありますが、とてもいいなと思います。それは、個人の「今」に焦点をあてたもので、決して結果にフォーカスするのではなく、自分に対しても、師や相手に対しても、場に対しても礼をつくす姿、過程を大切にする教えが好きです。

小さい頃から、「道」のつくものに触れる機会を作ってあげたい、作ってあげてほしいと思います。

❺ 「アートイズ」小学生むけ

小学生向けのアートイズは、ひとつの大きな厚紙に、好きな形を切り抜いて、好きな材料で飾り付けをするワークショップでした。

「好きにしていいよ」「自由にしていいよ」って簡単なようで難しいことありませんか?得意、不得意が分かれるような気がします。すぐに制作に入っている子、なかなか手が進まない子。でも、それも良い悪いではなく、自分を外に表現するひとつの方法です。

たくさんある材料の中からどれにしようか、厚紙はどう切り抜きしようかと考える顔は、大人びた顔でした。

出来上がりを見逃してしまったのですが、各人素敵な作品できたようです。

学校の宿題もこんなふうに「自由」であればいいと思います。ヨーロッパでは宿題が法律で廃止された国もあります。自由に自分の学びたいものをトコトン学べるような時間、小さいうちから作りたいですよね。トコトン学ぶためには、きっと小さいころにトコトン遊ぶことが必要。

自由に遊べる時、自由に学べる機会には、思い切り参加して楽しんでくださいね。

❻その他

・段ボール色塗り

段ボールに好きな色を塗って、葉っぱを付けて、最終的には木が出来上がっていました。写真は途中の段階です。

こんな遊びが家でもできたら楽しいだろうなーと遊ぶ子供たちを見て思いました。

・子供たちとサンバ

YAMさんが子供たちとサンバを演奏していました。

プログラムにはなかったのですが、YAMさんが即興でスタートしてくださいました。

「はじまるよー!」という声かけはなし!

「タンタンタンタタン♪」楽し気な太鼓のリズムと面白そうな楽器が並べられるのを見て、子供たちは自然と集まってきました。それも一斉に!子供って面白いものを見つける感覚、すごいなーと思います。家でも、めざといなという位、おもしろいものを手にと名人ではありませんか?

その時の様子が、「ハーメルンの笛吹き男」の童話の一場面のようでした。楽しげな音楽に、踊りたくなるようなリズム♪子供たちは走り寄ってきました。

手に手に楽器をとってはワラワラとしていた子供たちですが、YAMさんの声かけできちんと整列して、自分の興味のある楽器を選びました。

はじめは各楽器のたたき方を教わり、簡単なリズムを何回か練習した後は、大きな太鼓のリズムを真似して音を奏でます。

ワラワラとしていた子供たちが、サンバ隊になっていました!!大人も子供も青空の下、気持ちの良い風と音とリズムを楽しむひと時。幸せな時間ってこんな時間かしらと思いました。

写真からサンバが聞こえてきそうでしょ?

 

 

 

 

 

 

(以上 おいらせもりのようちえん ブログ担当 まな)

・1Park(ワンパーク)

差波先生ゼミの1Park(わんぱーく)

差波先生が指揮を取り、1Parkを運営するのではなく、「自主性に任せる」という姿勢で、学生達が主体となって運営しているなぁと感じます。もしかすると歯がゆい部分もあるかもしれませんが、何がこどもの「生きる力に繋がるのか」差波先生の深く深く、問う姿が素晴らしいと思います。

「すべてはこどもの生きる力を育てるために」というスローガンで行ったこのイベント。
昨年よりも今年の方が楽しく体験し、学べるものができました。
来年は更に「五感を使った体験活動の中で、こどもの生きる力を育てること」について、親も子も楽しみながら、学べるイベントにしていきたいと思っています!

(おいらせもりのようちえん 代表 外井)

 

追記

写真をたくさん載せます。きっと、文章よりもたくさん物語ってくれると思うから。そういいつつ、いつも長文になってしまいます。どうぞご覧ください。