2018.4.28  ゼロから1をつくるちから ~畑の畝(うね)づくりの日~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桜がまだ半分残る暖かな日、畑づくりをスタートさせました。

今回は「ゼロから1をつくるちから」がテーマです。

畑をつくり、種や苗から野菜を育てて、収穫し、食べること、年間を通して天候や季節の流れを肌で感じながら行います。

もちろん初めてなので、失敗するかもしれませんが、それも一つの経験!

 

 

 

 

おいらせ町で長年畑づくりにこだわってされてきた松林ご夫妻が、子供たちの先生となって丁寧に教えてくださることになりました。

 

 

 

 

子供たちは可愛い鍬をもってやる気満々です!

 

 

 

 

 

はじめる前に、土のお話。

ここの畑の土は、貝や魚の骨・内臓等を粉砕して肥料としています。その肥料をミミズが食べて糞をして、ミミズの糞を微生物が食べて分解して、やっと野菜が吸収できる肥料となるそうです。少し難しい言い方をすると、有機が無機に変わることで根から栄養分として吸収されて美味しい野菜が育ちます。だから有機野菜や有機農法ではなく、自然農法や自然栽培の野菜というのが正しい言い方だそうです。

ここの土はなんと松林先生が三年間ミミズを飼って育てた土で、栄養たっぷりのおいしい土なのだそうです!!!触ってみると土がお布団のように「フカフカ」しました。この感覚はぜひ触って確かめてほしいです。大人も子供たちからも「気持いい!」の声があがっていました。

 

 

 

 

 

最初は、畝を立てることからスタートします。

畝を作ることで、水はけや日当たり、風当りを良くして、高低差によって雑草の繁殖を抑えられるそうです。まっすぐ均等に畝を立てるために竹を使いました。畑はロープの上を歩くこと、鍬は怪我をしないように土にサクッと先を入れて置いておくこと、畑には畑のルールがあることを学びます。初めては知らないことだらけで面白いですね!子供たちが大きくなった時に、この経験がきっと何かの役に立つはず。

 

 

 

 

今日は2歳から小学校二年生までの5人が一生懸命畑を耕しましたが、きっと全員の年をたしても先生が畑をやってきた年数には適いませんね。地域にいらっしゃる方が、こんな風に子供たちに大切なことを教えてくださることは、きっとおいしい野菜を作ることだけではない子供たちの未来も耕しているような気がする風景でした。

 

 

 

 

畝が出来たら、作物の種や苗を植えます。

日は一番簡単な「種芋」を植えることにしました。キタアカリとメークインの種芋を用意していただきました。芽が少しだけ出ている時がベストタイミングだそうです。(今回は少し出すぎでいるところもあるそうですが、生きているということですね!)

 

 

 

 

 

 

 

 

種芋は、その場で半分に切って、腐りにくくするために、木灰を切り口につけました。

 

 

 

 

 

種芋の植え方も教わりました。

植える場所は、昨年は芋を植えていないスペースへ!毎年同じ作物を作り続けると育ちが悪くなってしまうそうです(連作障害)。種芋は30㎝間隔に、切り口を上にして並べ、ふんわりと土をかけました。ジャガイモは通常、切口を下に向けて植え付けするそうですが、逆さに植えることで病気に強いジャガイモが育つそうです。種芋の芽は表面に付いているため、切口を下にする普通の植え方だと芽が付いた方が上になり、芽は自然に上に伸びて成長します。一方、逆さ植えにした場合、芽は一度下に伸びた後、上へ向かって伸びることになるため、弱い芽は成長を止めて強い芽だけが生き残ります。このストレスによって、株全体の抵抗性が高まり、病害虫に強くなります。また、通常植えに比べて、芽の数は少なくなりますが、生育旺盛で大きなイモが多くなるそうです。

 

 

 

 

 

あとは、芽が腐ってしまうので水やりは不要で、芽が出で成長を見守ること。

子供たちにとっては、泥んこ遊びの延長だったかもしれませんが、種芋の芽が土から出ているのを発見した時、蔓が伸びて葉が生い茂った時、そして収穫の時、、、これから新しい発見をしたときどんな顔をするのかな?

 

 

 

 

 

 

実は、子供たちには畑の行き帰りにも楽しみがあります。

そう「道草」!

だから、すたすた歩けば5分の道も15分かかります。日本一の大イチョウに注目するよりも、道の真ん中にいた虫に夢中になってしばらくは動きません。大人にとっては待ち時間、子供にとっては絶好の観察・研究の時間。せっかく自然の中にいるのだから、思う存分研究してもらいましょう!

可愛い花束を作っては皆にプレゼントしてくれた女の子。花束を葉っぱでラッピングしてくれて、春の色合わせがとても素敵でした。

 

 

 

 

 

 

最後は、畑仕事を頑張ったご褒美に「ヨモギ団子」作り!

松林先生から教わって、春の味を食べることにしました。ヨモギの葉をつんで、春の香りを感じます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おいらせ町産の米粉ともち粉を半分ずつ、お湯を加えて混ぜ合わせ、熱湯でゆでてヨモギと合わせて潰します。時間がない時は茹でるのがお勧め、柔らかくするには蒸すのがお勧めとのことです。ヨモギは熱湯に塩を加えたもので二度ほどあく抜きをして、ミキサーにかけたものを冷凍しておけば年中春の味が楽しめるそうです。そんなちょっとした知恵も教えていただました。

 

 

 

 

 

 

 

 

お腹の空いた子供たちは、団子をこねながら、ちぎっては食べて、お皿に盛る暇もありませんでした。きな粉を付けたり、そのまま食べたり。何もつけないヨモギ団子がこんなに美味しいとは知りませんでした。自然の恵みをその季節に美味しく頂く手間を子供と一緒に楽しみたいですね。

スーパーの特売で買えば一袋198円のジャガイモかもしれません。手間はかかるけれど、ゼロからジャガイモを作ることで、大きくなってからスーパーで手にする時、口にする時、今までと違う景色が頭に浮かぶはずです。来月からは毎週金曜日と月一回土曜日に畑で作業を行います。一緒にお芋と子供たちの成長を見守りませんか?

追記

同じ作物を植えることで収穫高が落ちる連作障害、種芋の切り口をあえて下にしてストレスを加え植物の力を育てる逆さ植え、種付け後は水分は与えずに見守るお芋の育て方、、、、

手間をかけること、厳しさを与えること、見守るとこと。

子育て真っ最中の親からしたら、お芋の育て方を教わりながら、子供との関わり方まで教わっているようで、なんだかジャガイモが愛おしくなりました。ジャガイモも子供も私も、少しずつ太陽の光を浴びながら成長できますようにと道草を食う子供たちを見ながら思いました。

(文責 おいらせもりのようちえんブログ担当 まな)