2018.12.22 牛さんと遊んでみよう!

 

2018年最後の「おいらせもりのがつこう」のテーマは、牛さんと遊んでみようでした。

来年はイノシシ年ですが、今日をきっかけに牛さんついてさらに深く楽しく学ぶ機会を作っていこうと皆で感じた日にもなりました。

牛舎の見学

県庁から牛さんに詳しい伊藤先生、山田先生に来ていただきました。ホルスタイン柄の帽子をキュートにかぶってくださった先生は、皆に丁寧に説明してくれました!

カワヨグリーン牧場さんには奥まったところに牛舎があり、夏は放牧されているそうですが、羊さんやお馬さんが目につくところに放牧されているので、なかなか牛さんを目にしません。牛乳やソフトクリームは販売しているけれど、誰もみたことがないので、先生の案内で牛舎にドキドキしながらの入舎です!

牛も人間も一緒

入ってすぐの所はほんのりと暖かな部屋で、牛さんの匂いがしました。慣れていないと不快に感じるかもしれない匂いと湿度ですが、それが生きているということです。

牛乳は、四つの搾乳機で定時にお乳を搾られます。小さい子を連れたご家族が多いので、先生が人間の赤ちゃんとお母さんを例に詳しくお話ししてくださいました。

「牛も人間も同じだと考えてください。」

人間のお母さんもおっぱいをあげる時大変だったでしょう?

赤ちゃんにうまく吸ってもらえないと乳腺炎になるし、噛まれて痛い思いもする。

牛さんも同じだから、なるべくストレスなく搾乳できるように工夫しているとのこと。

一日約20リットル、牛乳パック20本分ものミルクを出し、牛の体温38.5度のミルクを後ろのタンクで4度まで冷やして保存、殺菌してからみんなの元へ運ばれます。

牛を目の前にしないと、ただの白い牛乳という名前の液体、生き物から頂いていると頭ではわかっていても、実感がないことのほうが多いのではないでしょうか。

同様にスーパーにパックになった「牛肉」と目の前の「牛」もそうですよね。

その過程を知らないと別々のものと考えがちです。

乳しぼり体験も、実は牛にとってかなりのストレスで衛生面の配慮からも最近は減っているとのこと。

確かに、おっぱいをあげている自分に置き換えてみると、知らない人が沢山下手くそな手加減で乳しぼりしてきたら、毎日が嫌になってしまいますよね。

誰目線で楽しいのか、相手が動物であっても、自分がその立場だったらと考えれるようになって欲しい。

子ども達には、自然から生き物から、その過程も知った上で楽しんだり、食べたり、感謝したり、自然や生き物に優しい選択をして欲しい。

この後、あるお母さん牛のアクシデントを目にすることで全員が大切なことを考える機会を頂きました。

出産は命がけ

生後2~3か月の赤ちゃん牛を見学し、一緒にお散歩しようと計画していました。子どもたちもとても楽しみにしていたのです。

ただ、今朝悲しい出来事ですが、死産の出産があり、お母さん牛が息も絶え絶えに倒れてしまったので、他の子牛を見学するだけとなりました。

子ども達は、子牛を目の前に嬉しそにする子、ちよっと怖がる子、反応は様々でしたが、可愛い子牛に出会う体験をしました。

写真は載せませんが、隣で大きな身体をした牛が苦しそうな声と、動けない身体を横たえて、糞も垂れ流した上に倒れていました。

このお母さん牛は、今朝子牛がお腹の中で亡くなった状態で出産して、自分自身も命の火が消えかかかっているとのこと。

予定していたものではありませんが、生きている命、死にかけている命、死んでしまった命を目にする体験もしました。

「このお母さん牛はどうなるの?可愛そうだね。良くなるの?」

子ども達は素直です。全員心配そうに見たり、聞いたりします。

お母さん牛は、違う形で肉牛、革製品となる、現実を知ることも大切だと先生はまっすぐに話してくださいました。

特に小さな子ども達は、印象深く、考える機会になった気がします。

我が家もイベントが終わった後、お母さん牛がかわいそうだったことから始まり、自分が産まれた時はどうだったのかという話まで発展しました。

綺麗なこと、楽しいことばかりが経験ではありません、厳しいこと、悲しいことも経験として大切なこと。

自然の中で遊ぶこと、生き物に触れることは「現実」と向き合う良い機会です。今日みんなが持ち帰った「現実」ぜひご家庭で発展させて、その子の「生きる力」にして欲しいと思います。

     

牛さんにご飯とブラッシング

大きな牛さんに干し草と、耳の後ろ等牛さんの喜ぶ部分のブラッシングを体験しました。

干し草は、人間で言う漬物ののようなもの、長持ちして美味しいように刈り取る時期や加工も工夫してあるそうです。

干し草の上にひょいっと

先生が干し草の上にひょいっと乗って、質問に答えてくれました。

印象に残った話が、食べたもので牛乳の味が変わるということ、春先の牛乳は黄色く甘く、冬の牛乳は青く特徴がないそうです。

先生が干し草の上であまりに楽しそうなので、子どもが一人乗り、二人乗り、最終的には6人乗っていました。

やっぱり雪が好き

外にでるとやっぱり雪が好きな子ども達、遊んでくれるお父さんを見つけてはお父さん対子ども達で雪合戦や雪だるまをしていました。

少しだけしか雪で遊べなかったので、年明けは思い切り雪遊びをしましょうね!

囲炉裏でぬくぬく、牛乳ほわほわ

寒かったお外から帰ってくると、囲炉裏の温かいお部屋が待っていました。みんなで囲炉裏を囲んで、自己紹介や来年の目標等を話しながら、ホットミルクができるのを待ちました。

牛乳は50度が一番おいしいそうなので、温度計できっかり計って全員で今朝のとれたて牛乳を試飲しました。ほわっと優しい味がしました。

囲炉裏でおにぎり、アツアツスープ

寒いので持参したおにぎりを囲炉裏に鉄鍋を置き、ごま油を垂らした上でジュージュー焼いて食べました。

私も含めておにぎりを忘れた人にも分けて頂いて、違う意味でも温かさを感じた食事となりました。

本日のスープは、白菜と人参と鶏肉団子のスープ。

大きな鍋で作りましたが、みんなお替りして食べたのであっという間になくなってしまいました。

いつも大鍋で作って、みんなで食べるスープやお鍋が美味しいことといったら、お世辞でなく、本当に美味しい!

皆のために作ってくれたということ、大勢で美味しいねって食べること。

ここでしか味わえない味は自慢の味です。

 

チーズ作りに挑戦!

搾りたて牛乳でチーズ作りが今日のメインデッシュ♬

大きな鍋で牛乳をコトコト60度まで温め、酢を加えてゆっくり混ぜていくと、分離してチーズのような塊が出来てきます。

それをお湯の中でこねて、冷水で冷やすとチーズの出来上がり♪

殺菌の有無でチーズの塊具合が変わりますが、低温殺菌の牛乳を使用したのでカッテージチーズのような仕上がりとなりました。

混ぜたり、こねたり子ども達は代わる代わる、少しケンカもしながらチーズ作りを楽しみました。

サラダにするリンゴや、トッピングのクルミを言ってくれる作業に手をあげて進んでやってくれたお兄さんお姉さんも沢山いました。

出来上がったチーズに感動、リンゴとチーズとクルミと甘酸っぱいドレッシングに舌鼓を打ちました。味見でスタッフのお母様が作ってくださった手作りのベーグルも頂きみんなお腹いっぱい♪

チーズが固まるのはたんぱく質が固まっていること、チーズ以外の液体はホエーと言って甘味やミネラルビタミンが沢山はいっていることを先生から教えていただきました。

終わった後の余韻が楽しい

雪遊びをしたい子はお外に出かけて、中でキャッキャッと騒ぎたい子は群れて遊び、余韻も楽しみました。

二歳三歳が集まるとケンカもするけれど、今日は机の下で大人にはわからないものすごく楽しそうな時間を過ごしていました。

大人の知らない世界で子どもたちは、きっとものすごく嬉しい、楽しいことも経験して、ものすごくツマラナイ、辛い、悲しいと感じる経験もしている。

どちらの経験もたくさんして、他の誰か、他の何かの目線に立って考えられるように大きくなってほしいと思う一日でした。

 

追伸

偉そうに書いていますが、自分自身も、子どもの目線で我が子に接しているのかと言われると自信がありません。

我が子だからこそ、自分目線で接していてうまくいかないことが多い今日この頃。

「牛も人間も同じです」

先生の言葉を借りて

「子どもも親も同じです」

子ども目線で、子どもを主語にして明日は接しようと寝顔を見ては毎日怒鳴ってしまうことを反省します。

子どもよりも成長の遅い母ですが、死産した息も絶え絶えのお母さん牛を見て思いました。

元気で産まれてくれたらそれでいいと思っていたあの日を思い出そうと、明日こそ怒鳴らないで育児することを心に留めて。。。

 

(おいらせもりのようちえんブログ担当 まな)