2018.9.1 奥入瀬川でカヌーに乗ろう♪

体験の風をおこそう!

夏と秋の間を行ったり来たりとする中、9月最初の週末、親子で本格的なカヌー体験を奥入瀬川にて開催しました。

今年最大級の台風も来ていて少し心配ですが、奥入瀬町でも台風に負けないくらい大きな体験の風を吹かせましたよ♬

午前と午後合わせて、7組の親子が参加し、大人10名、子ども10名がカヌーで川を下りました。

3歳以下のお子さんは今回はベースで保育の先生とお留守番でしたが、お母さんに背負われて橋の上から応援したり、陸地でカヌーに乗ってみたり、雰囲気は味わってもらえたのかなと思います。

カヌーに搭乗した1番年下のお子さんは、3日前に3歳になったばかりの女の子でした。2歳の頃からもりのようちえんに遊びに来てくれている女の子、最初は皆と一緒にいるのもお話しするのも恥ずかしがっていたのに、3歳になったお姉さんは可愛いワンピースを着て、お花も摘んで、質問にも「ラプンツェルが好き」と小さく微笑んでしっかり答えてくれました。子どもの成長はあっという間ですね。

体験の風を一緒におこして、子どもたちの未来に少しでもプラスになれるのであれば、すごくすごく嬉しいなと思っています。

 

「体験の風をおこそう」の運動は、国立青少年教育振興機構含め20の青少年教育関係団体で構成し、運動を推進しています。

自然の中での遊びや自然観察、地域の中での社会体験や家庭でのお手伝い、ままごと遊びやヒーローごっこなど、子供の頃の様々な体験が、人生の基盤となり、大人になった時の意欲やコミュニケーション力の差となって表れることがこれまでの調査で明らかになってきました。しかし近年、社会が豊かで便利になる中で、子供たちの自然体験や生活体験を始めとする様々な体験が減少している傾向にあります。

子供たちの成長にとって“体験のチカラ”がいかに大切であるかを広く家庭や社会に伝え、社会全体で子供たちに体験活動の機会を提供し、健やかな子供の成長を支援するために、「体験の風をおこそう」運動を推進しています。

これからの日本を担う子供たちのために、ぜひ一緒に「体験の風」をおこしましょう!

(体験の風をおこそうHPより https://taikennokaze.jp/about)

おいらせもりのようちえんでも「体験の風」がいつもびゅんびゅんと吹いていますよ!

信じて見守る

集合して今日の内容説明です。

カヌーの安全対策についてはもちろんですが「子どもを信じて見守る」ということも全員で確認。

今回は八戸のグリーンハウスさんや沢山の方にも支援いただいての開催です。参加者と同じくらい支援してくださる方も来てくださいました!

早朝7時から会場を準備してくださった皆さん、カヌー乗り場と降りる地点には目新しい木の階段があり、この川の専用施設かと思っていたら、前日に手作りで木枠を作り、足場を確保したり草を刈ってくださったとのこと。

「危ないからやめなさい」と言われがちな野外でのダイナミックな遊び、信じて見守る背景には、万全の安全対策と経験が基盤にあるのだと改めて感じました。

湖でのカヌーは流れがないので初心者向け、川でのカヌーは流れがあるので上級者向けとの説明がありましたが、初めてだって川でカヌー出来るくらいのサポート力があるのです!

100%の安全なんてどこにも無いけれど、信じて見守れるだけの力がここにはあります。

Fear is often worse than the danger itself

「カヌーは乗る時と降りる時、最初と最後が一番難しい」と説明がありました。

だから、最初の乗り方、最後の降り方はしっかりと自分の目で現地を確認して、実際どうするのかイメージを持てるように時間をかけてのレクチャーです!

降り方、乗り方、パドルの漕ぎ方、安全なライフジャケットの着用の仕方等。

「案ずるより産むが易し」

Fear is often worse than the danger itself

英語にも似た表現があるそうで、直訳すると「恐れはしばし危険そのものよりも問題である」

川をカヌーで下るなんて、ドキドキワクワクという楽しい気持ちもあるけれど、ちょっと怖いなという恐れもあるはず。

でも、やってみたらめちゃくちゃ楽しかったという声が多かったです。

外側にある危険は大人が手助けをして安全対策をばっちりに望むことができるけれど、自分の内側にある恐れはやってみることでしか解決できない。

子ども達には、小さいうちから少しずつ自分の内側にある恐れを見つめて、自分の足で解決していってほしい。

 

「案ずるより産むが易し」は、脳科学の分野では「作業興奮」と言われる有名な現象だそうです。

そもそも「やる気」というのは脳の「側坐核(そくざかく)」と呼ばれる部分で作られると言われています。しかしこの側坐核、なかなか動き出してくれないんだとか。勉強も掃除も、始めるまでが大変なのはここに理由があるからだそう。

とにかく、最初の一歩を踏み出してみる。そうすることで、脳は活性化し、活動しやすい状態になるのです。

(STUDY HUKKER HPより https://studyhacker.net/columns/anzuru-umu)

さぁ、まずはやってみよう!

お父さんと二人で乗る親子は、お父さんに頑張って頂き、お母さんと二人で乗る親子には、男性スタッフが後ろに乗って補助しました。

三歳になったばかりの女の子は、最初怖がって「かか(お母さん)がいい」と言っていましたが、張り切ってカヌーに一緒に乗ったお父さん、娘の笑顔のために初めてとは思えないスピードで漕いでみたり、お父さんの120%で親子カヌーを楽しみながら娘さんとの時間を過ごされていました。

カヌーの上では笑顔が少なかったのでお父さんも心配されているようでしたが、当の本人は楽しんでいたようで、カヌーから降りた後は「楽しかったぁー」とお話ししてくれたそうです。

雨の中だって最高

3キロの行程を1時間ほどかけてゆっくりと下りました。

途中波立場所もあって、そこが一番楽しかった!!

そして、いつも橋の上から見ていた奥入瀬川、鮭の登ってくる奥入瀬川でしかなかったのに、川の一部になってカヌーで下ることは最高に楽しかった。

小雨降る中でしたが、パドルを一生懸命漕いでいると濡れてしまうので、まったく気にならない天候でした。

水面を流れてくる草、水の底が案外近くに見えること、野鳥が飛んできて魚をとっているところ、そんな川の風景も親子でおしゃべりしかながらのゆったりとした時間でした。

慣れてくるとパドルを持ち上げる余裕もでて親子の笑顔もたくさん見られました。

タッチしたいと近寄ってみたり、逆流にまけず漕いでみたり、ジグザグ走行してみたり、パドルも漕ぎながらどうやったらいいのか自分で分かってきました。

もちろん、流されて川岸の草むらにつっこんで出られなくなった場面もありましたが、講師の先生が猛スピードでヘルプに行き、コースに戻ってきました。

午後のカヌーにも乗りたい!

一番難しいゴール地点ではサポートしてもらいながら全員安全に上陸しました。

少し怖がっていた子どもたちも、乗ってしまえばどこ吹く風、降りたとたんにもう一度乗りたいという子ばかりでした。

「やる気スイッチ」がはいってもう止めることができない状態なのか、午後もやりたいと訴えるお子さんがいました。

「今やったばかりでしょ?また今度やろうね」と否定やぼやかした期待ではなく

「次カヌーやる時には午前も午後も申し込むからね!」とゆっくりしっかり具体的にお子さんにお話しされるお母さんがとても素敵に見えました。

小雨降る中だって、どうせ濡れるのでへっちゃら、ちょっと怖いかもしれないけれど、またすぐにやりたい位気持ちよくて楽しくて、面白い!

最初の一歩は怖いけど、さぁまずはやってみよう!

また次の体験の風へ

全員笑顔で無事に終わりました!

支援してくださった方、参加してくださった方、キャンセル待ちで今回は見送ってくださった方に感謝して、また次の体験の風につなげていきたいと思います!

 

追伸

先日八戸で行われた「みんなの学校」の木村元校長の公演会の中で素敵なお話しがありました。

他のいくつかの学校では学校生活をおくることができず転々として、大空小学校に途中から入学した重度の知的障害を持つ男の子。彼が卒業式で在校生に向けての言葉で話したことです。

「人にとって一番大切なのは平和です」

みんな一瞬え?っと思ってずっこけたそうです。

卒業生は一言の場面では、自分の話たいことを自由に話し、台本もなければ、その練習もないそうです。

授業中に逃げ出すことしか考えていなかった彼は自分の言葉で、自分の考えをしっかりと具体的に述べられるまでに成長していました。

「平和ってとっても簡単なんです。自分の隣にいる人を大切にすれば、一瞬で世界が平和になります!」

彼の伝えたいことにとても感動しました。

おいらせもりのようちえんでも、沢山の子ども達に一気に体験の風をおこすことは難しいかもしれないけれど、

来てくれた子、今隣にいる子を大切に「信じて見守る」ことを続けていきたいと思います。

時々鬼婆のように感情的なお母さんになる自分は棚に上げての追伸でした。

感情的に怒ってしまう時だって、その子が大切だから怒るんですよね・・・きっと。

皆さんにもお伝えしたい素敵なお話しだったのでそこはお許しくださいませ。

 

(おいらせもりのようちえん ブログ担当 まな)