2018.7.27 下田イオンチアーズクラブ おいらせ自然楽校で火の力を学ぶ

下田イオンチアーズクラブ おいらせ自然楽校で火の力を学ぶ

おいらせ自然楽校は、企業や各教育機関等(幼稚園、保育園、各種学校)の依頼を受け自然の中で学ぶ研修や学習会もお手伝いすることができます。

夏休みに入ってすぐの本日は、下田にあるイオンチアーズクラブの子どもたちの活動をお手伝いしました。

イオンチアーズクラブは、小学校1年生から中学校3年生までの子どもたちが環境に関する様々な活動を行うことで、環境に興味を持ち、考える力を育てるとともに、集団行動を通じて社会的なルールやマナーを学んでいくクラブです。

また、イオン チアーズクラブは、毎年のテーマに沿って活動を行っています。活動テーマは6年を1サイクルとして毎年変わります。「ゴミ・サイクル」「エネルギー」「太陽」「水」「植物」「動物」の6テーマ。2018年度のテーマは「エネルギー」です。

本日のテーマは「火の力」!

森で火種になるものを集め、太陽のエネルギーで火おこしに挑戦しました!

黄色い御揃いのTシャツと帽子を身に着けた元気な小学生たちが約21名集まってくれました!

挨拶をしたらさっそく森へ出発です。

今回のテーマが「火の力」ということなので、まず森の中で火起こしに使えそうなものを集め、棒パンにちょうどいい枝を皆で探しに行くことにしました。どんなものが集まってくるかな?

歩く学ぶ歩く学ぶ

どんなものだと燃えやすいかな?

火種になりそうな松ぼっくりや木の枝を紹介しました。

小学生なので、細い木と太い木ではどちらが火が付きやすいか?

簡単な質問も投げかけながら歩いていきます。

古代ギリシアの哲学者アリストテレスは、散歩をしながら弟子たちに教えを説き、議論を交わしたのだとか。

筑波大学大学院体育系教授の征矢英昭氏によれば、たった2週間のスローランニング(ストレスにならない軽運動)をマウスに行わせると、記憶や学習をつかさどる脳の「海馬」という領域の神経が増え、さらに、それを6週間続けると、海馬自体が肥大したという研究結果が出ているそう。(「米国アカデミー紀要(PNAS)」電子版2012年7月17日に掲載)

 

小学生の感覚、三歳の感覚

さて、この穴はなんでしょうか?

昔むかしの人、縄文人が住んでいた跡だと伝えると、男の子たちは横の小山に登って

「じゃあここはお墓だ」と言ってしました。

社会で習う前方後円墳を思い出してくれたのかな?

小学生に交じって参加していた三歳の男の子は

「昔の人は誰だろうね。おじいちゃん、おばあちゃんの家じゃない。」と断言していました。

昔の人は、生きている人ではないということか、自分の知る一番昔の人はおじいちゃん達ということか、三歳の脳の中も面白そうです。

小さな芽をつまみ上げると出てくるものはなんでしょうか?

 

よく見るとドングリ!みんな楽しそうにドングリの芽を引っこ抜いて確認していました!

キノコもあちらこちらからニョキニョキ生えていました(食べられません)!

やっと鳴き始めた蝉の抜け殻も沢山。大きさが違うものも見つけて、どの蝉の種類だろうと考えていました。

枝を高く掲げてトンボを捕まえたり、この切り株の木は75歳と年齢を調べたり。

森の中はいい気持ち

いよいよ森に入る時は、慣れていない子は不安そうでしたが、一度入ると表情も緩んできます。

森は意外と涼しくて、アスファルトを歩くような衝撃も熱さもなく、心地よく感じます。

森で注意が必要なツタウルシ、火種になりやすい杉の小枝も伝えながらの山歩きです。

 

小学生ともなると、自分で考え、判断、行動する力があると感じます。

燃やせる材料、棒パンの枝、しっかりと両手に抱えきれないほど集めている子もいました。

棒パンの生地の作り方、棒パン用の木の枝のどこにパンを巻いていけばよいか、どんな風に焼いていけばよいか考えてもらいながら説明を行いました。

生地を練り、棒がうまく釜土にはまるかチェックして一番いい場所にアルミを巻いて、パンを巻き巻き♬

  

太陽のエネルギーを火に!

本日のテーマである「火の力」は太陽のエネルギーを虫眼鏡で集めて、火種に火をつけようと挑戦しました。

少し煙がでたり、細い火がついたチームもありましたが、これがなかなか難しい。

ここに住んでいた縄文人達はどうやって火を起こしていたんでしょうね。これを機会に調べてみるのも面白いかもしれませんね。

でも、災害時何かあった時にはこの経験が役立つかもしれません!

知識は財産、経験したことは知識以上に強い武器です。何かの時には思い出してくださいね。

文明の利器

かなりの時間子どもたちは頑張りましたが、炎天下ということ、お腹の虫が鳴いてきたことも相まって文明の利器も使用することにしました。

着火剤はあえて準備せずに、子どもたちが集めた火種となる材料と炭だけ使って、火をつけて火起こししました。

    

赤いTシャツを着たサポーターのお母さん達も一緒に頑張って火を起こし、子ども達と一緒にパンを焼いてくれました。

火加減が強すぎても、弱すぎてもいけないので工夫しながらパンを焼きました。少し焦げたり、半焼きパンだったかもしれないけれどそれも今日の味。

出来たパンはさっそくかじります♪

サポーターのお母さん達に感謝

その間、お母さん方は棒パンに合わせてカレーも作ってくださいました。炎天下の中美味しいカレーありがとうございます!

美味しかった証拠に、お替りの列が途切れませんでした!

宿題は忘れて今日はしっかりと遊んでください!

熱い中みんなよく頑張って作りました。そして、良く食べよく遊びました。

コーディネーターのお母さんも「今日はよく頑張りました。宿題は忘れて今日はしっかりと遊んでください!」とおっしゃっていました。

 

仲間と遊ぶ

食べ終わった子から、ハンモックやスラックスライン、木陰でおしゃべり。

今日印象的だったのが、「友達と遊ぶ」ではなく「仲間と遊ぶ」と言う言葉を耳にしたことです。

「友達」と「仲間」は似ているけれど大きく違います。

友達は、家族や親族以外で、親しい間柄の人間関係のこと。

仲間は、同じ目的で集まっているある集団のメンバーのこと。

イオンチアーズクラブは同じ目的で集まっている仲間だと子どもたちは自然と感じていることに感動しました。

松ぼっくりセンソウ

とにかく走るよく走る。そして、楽しそうだったのが「松ぼっくり戦争」

(子ども達の言葉をそのまま使っています。)

私は、遠くから「松ぼっくり合戦」やってるなーと見ていました。

楽しそうなので、近くに見に行くと「松ぼっくり戦争だー!」と子ども達が言っていました。

松ぼっくり戦争か・・・雪合戦みたいな言い方の方がしっくりくるなと思ったのですが、確信も持てず、気になったまま見守っていました。

どうしても気になったので、家に帰って調べてみました。

合戦とは、勢力争い等で両者が全勢力を集結させて行われた決戦の事である。戦争とは違い、国と国の争いでは無く国内やグループ内だけの争いの場合や、雪合戦といった遊びにも用いられる言葉である。戦いに参加する者は決まっており、特別民間人や部外者を巻き込むものではない。合戦は純粋に勝ち負けを決める戦いそのものを意味するが、戦争は戦いであり外交でもある点が違う。

戦争とは、主に国と国の武力を用いた争いの事で、合戦よりも規模がとんでもなく大きい。通常の外交では解決しない場合にとられる最終手段である。基本的には軍人同士の戦いになるが、民間人への被害も大きく、用いられる兵器によっては国土自体が汚染されてしまう様な事も起きてしまう。

なるほど納得二つの違いより(http://www.st38.net/naruhodo-nattoku-chigai/z0185.html)

八月は終戦記念日もあります。慰霊祭も各地で行われます。小さな町の小さな子どもたちの遊びの中ですが「戦争」という言葉、「戦争」という意味。戦争体験を祖父母から語られない世代に突入しています。だからこそ、言葉の意味からも考えたい。次に「松ぼっくり合戦」がある時には、木陰でおしゃべりしながらそんな話もしたいものです。夏休み、親子で少し話てみませんか?

ガンバレ蝉

蝉の抜け殻をたくさん見つけた子どもたち。なんと孵化する前の蝉を見つけていました。土から出てきたばかりなのでしょう。

応援したいと木に登らせてあげていました。はじめに登らせていた木が、葉までかなりの距離のある杉の木だったので、もう少し近くに葉がある木に移動したらどうかなと一緒に蝉を応援しにいきました。

どうしても応援してあげたい子ども達は、蝉の前に一生懸命蝉の抜け殻を置いています。

蝉が仲間と思って頑張れるようにとのこと。自分たちも仲間が頑張っていたら、頑張れますもんね。

 

もう一つ、頑張れなかった蝉もいました。何かの理由で孵化することができなかったのでしょう。抜け殻の中にうずくまったままの蝉がいました。興味深々の子どもたちは剥いてどんな風になっているのかやってみようと挑戦していました。難しくて途中で断念していましたが、ピンセット等があればとても貴重な勉強になったかもしれません。生きている蝉、死んでしまった蝉、儚い七日の命をどういう風にとらえるか、それも夏休みの良いテーマかもしれません。

スイカの種

美味しく冷やしてくれていたスイカで、スイカの種飛ばし競争も行われていました!

縄文時代の次、弥生時代の遺跡からは炭化した種子が大量に発見されたことから、当時、高タンパクなスイカの種が備蓄食糧として利用されていたのではないかともいわれています。エジプトではスイカを描いた4千年前の壁画も見つかっていますが、どうやらその当時は、主に種のほうを食べていたようです。

農産物のお話しスイカの話より(http://www.yc.zennoh.or.jp/web/shoku/0108_1.html)

スイカの種飛ばし競争も盛り上がってしました! 次は、スイカの種、自由研究の種に一粒いかがでしょう?

MORI de YOGA

片付けも一段落した後に、森の中でヨーガを行いました。

サポートを頑張ってくださったお母さんたちを中心に可愛い女の子たちも参加してくれました。

30分程度ですが、普段自分のことは後回しになりがちなお母さんたちに自分を大切に、自分の内側と向き合う時間、一緒に心地よく過ごしました。

森の中で目を閉じると、蝉の声がよく聞こえる、気持ちよく聞こえると一人のお母さんが言いました。

きっとそれは自分に集中した結果、普段と違う感覚を持ったのだと思います。

固い人、柔らかい人、それぞれの個性があり、良い悪いはなく、一緒にヨーガをできた時間はとても幸せでした。

ガンバレ子ども達

最後に挨拶をしてお別れです。前回はニンニクを取る体験をしたそうで、その感想も発表してくれました。アリシンというのが匂いのもとだとか、何に効果があるとか、しっかりと調べて自分の言葉で発表してくれた女の子。あと10年もしたら成人、そうなった時のひとつの経験に今日がなればいいな、明るい未来の子ども達に後ろからエールを送りました。

また、ぜひ一緒に森で活動しましょうね。

 

幼稚園や保育園、小中学校から企業向けまで自然楽校では研修する機会を提供しています。目的は学び、交流、自然体験、自由な発想でお手伝いすることが可能です。ご興味のある方はぜひお問い合わせくださいね。夏も、秋も、冬も、春もそれぞれの季節で楽しむことができます。

おいらせ自然楽校お問い合わせフォーム https://oirasemori.com/%E3%81%8A%E5%95%8F%E5%90%88%E3%81%9B/

 

(おいらせもりのようちえん ブログ担当 まな)