2018.6.28 もりのようちえん平日開催プレオープン ~みんなの約束~

 

 

もりのようちえんプレオープンです♬

もりのようちえん平日開催プレオープンの初日、新しく三組の親子が参加してくれました。

生まれたての3ヶ月の赤ちゃんと1歳10ヶ月の兄弟、三日前に三歳になったばかりの女の子、10ヶ月の赤ちゃんと二歳の姉弟、初参加の元気な五名の子どもたちとドキドキワクワクしながらハジメテを楽しみました。

 

みんなが揃う前に、来たお友達からモミジ苺と桑の実を食べながら腹ごしらえ♬みんな森の恵みを気に入ってくれました。

全員揃ったので、自己紹介から。今日の森はどんな遊びがまっているでしょうか?

何の虫か今日はわかりません

おっ?何かの虫を発見しました。近づいてみると二匹重なっていたので交尾中。子どもたち捕まえようと触ってしまったので、一匹がさーっと木の根元の家へ帰ってしまいました。悪いことをしてしまいました。虫さんごめんね。

この虫の名前が誰もわからなかったので、次回図鑑をもってこようということに!教えてもらうのも大事だけど、自分で調べたらもっと実になりますよね。

ハジメテの森歩き、棒を拾ってみたり、木の実を食べながら歩いたり、赤ちゃん連れのお母さんたちもゆっくりと楽しんでいました。

ドングリに交じって、何か実から花のように皮がはじけたものを発見。可愛いのでみんなで拾いました。

蟻の働きも知りたい

雨上がりだったので、キノコも発見。みんなで観察しているのは大きな蟻です。この森の蟻は本当に大きい。蟻の図鑑が我が家にあるのですが、働きありは働くばかりでなくて、働きたくないので他の蟻の卵を盗んで働かせる蟻もいるんです。蟻の図鑑も今度持参してどの蟻か調べてみます。

 

ハジメテ素手で捕ったぞ!!

「捕まえた!!!」

一番年上のお姉ちゃんが叫びました。何かすごい勢いで走っていって地面で捕獲した様子。見に行くとモンシロチョウでした。彼女は初めて手で捕獲したそうです。誇らしげな表情が印象的でした。三歳の男の子も頑張ってモンシロチョウの捕獲に臨みましたが、「捕まえる!」と同じ叫び声だけあげて、次回に期待です。モンシロチョウは虫かごに入れてみんなで観察しました。

ナメクジが小さくなっちゃった

モンシロチョウの次はナメクジも発見!

「なんだか小さくなってる?」

お姉ちゃんの手汗の塩分でナメクジがだんだん小さくなってきたみたい。これは大変だと、フキの葉を虫かご代わりにして溶けかけたナメクジを助けてあげました。

一歳も立派に完歩

森では1歳10ヶ月の男の子が全部自分の足で歩きました。一番ゆっくりだったけど、確実に。棒で遊び、モミジ苺を沢山食べて、柵の間からくぐってみる等、男の子の興味のままにゆっくりとお母さんも見守りました。急かさないお母さん、自分でしっかりと楽しみながら歩く男の子、とっても素敵だなぁとみていました。男の子チームは今日はゆっくりと進みました。

サクサク進んだ女の子チーム。三歳の女の子は、お母さんと夕飯のおかずにとフキもとっていました。二歳の女の子はモミジ苺が気に入ったかな?

鳴かぬなら、鳴くまで待とうホトトギス

「ブーー」「ビィーー」「ヒィーー」

笹が生えていたので、草笛を作って遊びました。

少しコツがいるので、子どもたちは挑戦してみましたが、音鳴らず。また折に触れて挑戦してみましょう。

 

「やりたい」といったそのときに「本物」を与え、体験させること

お腹もすいてきたので、みんなで協力してご飯の準備です!本日のメニューは雑穀ご飯とすいとん汁♬どの子も切ったり、配膳したりお母さんの真似をししながら手伝ってくれました。よく食べることは、よく生きること。食べるために作ることもみんなで楽しみます。

小さな子どもと一緒に台所仕事を行うことを学びの入り口として考える「台所育児 一歳から包丁を」という本があります。

「台所育児」は、子どものやりたいというその気持ちを尊重し、一緒に料理をすることを通して、五感をフルに使う体験をしながら食の大切さや生きる力を学ぶ育児法。実は台所はさまざまなことが学べる社会の縮図。そして、生きること=食べること。まさに「食」を学ぶことは、生きる力となる。幼児期の体験は、五感で体験したものしか脳に残らない。つまり、大事なことは、「やりたい」といったそのときに「本物」を与え、体験させることが何より大切。(『台所育児 一歳から包丁を 』著:坂本廣子氏)

三歳になったばかりの女の子とお母さんが野菜を切りながら楽しそうに言いました。

「五歳で一人でカレーを作れるようになることが目標です!」

毎日楽しく台所仕事を一緒にしているというお母さんと女の子、とても輝いて見えました。

 

すいとん作りは楽しい

台所育児のスタートとして、親子ですいとん作りはいかがでしょうか?小麦粉と水と塩を練るだけなので、多少失敗しても大丈夫ですし、粘土で遊ぶよりも形が変化して、食べる楽しみがあります。遊びでも料理でも、お母さんと一緒にやること自体が楽しい。そして、親御さんに感謝されるととても誇らしげな顔で嬉しそうにうなずく子どもは自信たっぷりです。

みんなの約束

ご飯やすいとん汁を火にかけている間、今日のテーマであるみんなの約束を話合うことにしましたいいことも悪いことも自分で考えて、判断ができるようになってほしい。だから、何か行動する際の大切な判断基準、みんなが守る約束事、みんなが心に落とし込める共通認識、子どもたちと一緒に全員考えてみました。

「みんなは、どんなことがもりのようちえんの皆でできたら嬉しいかな?」

子どもたちからは「笑う」「遊ぶ」等のキーワードが出ました。

話合いの最中、ケンカが勃発しました。この話合いをファシリテートしてくれたアキさんはすかさずソコに着目しました。

三歳同士がドングリをもってキャーキャー言っているので、それぞれにどうして相手に対して怒っているのか、どうしたかったのか聞いてみました。男の子は小さなドングリを集めたいのに、女の子が横から大きなドングリを入れてきたから嫌だった。女の子は、男の子がドングリを集めているから大きなドングリもプレゼントしたかったのに、ドングリをあげたら怒られたのが嫌だった。大人からしたら本当に小さなことだけど、小さな二人にとっては目の前のことが一番大切な「今」です。お互い意地悪な気持ちはなくて、やりたい事とやってあげたい事がすれ違っただけでした。

「こんな風にケンカが起きたらどうしようか?」

「話をきく!」

「悲しい人や怒っている人がいたらどうしようか?」

「笑わせる!」

「どうやって笑わせる?」

五歳の女の子がアキさんの耳元で何かささやきました。

「こちょこちょして笑わせる!」

それもいいかもしれません。幸せだから笑うんじゃなくて、笑うから幸せなんです。

難しい話はひとつもなかったけれど、「みんなで笑おう」がいいんじゃないかとまとまりました。

みんなで笑う為に、何ができるだろうか?

このひとつの約束は、小さな子どもにも分かりやすく、これからの大きな指針になりそうです!

みんなの約束が決まったので、子どもたちは協力して木の実をボードに張り付け、フェルトで一人一文字作り丁寧に貼りました。

このボードには、これからの活動で拾った葉っぱや木の実、貝殻等思い出とともに継ぎ足していく予定です。

今日決めたみんなの約束も、約束を守りながら、大切にしていきたい事をもっと深めていく予定です。

まだ未完成のボード、みんなで決めたばかりの約束。積み重ねて実行していくことで深みと厚みを増して行きたいと梅雨の晴れ間に掲げました。

次につながる今日もある

出来上がった炊き立てご飯とすいとんは皆で頂きます。

最初、食事の席に二歳の女の子がいませんでした。一人遠くの方で遊んでいてなかなか皆の所に戻ってこないのです。心配して見に行くと、初めての場所や人に戸惑っていたりしたのか、お母さんが弟ばかり抱っこしていることが気に入らなかったりか、何か彼女の中に理由があってなかなか動けませんでした。お母さんもどうしていいかわからない、先生も、他の大人も見守ることしかできませんでしたが、時間がかかりましたがご飯を食べに戻ってきました。今日すぐに解決できることばかりではない、今日は気持ちの整理もお話しもうまくできないかもしれない。

今日解決しなかったかもしれないけれど、次につながる今日であればいいなと思います。

食事のあと残った食器をほとんど一歳の男の子が運んでくれました。せっせ、せっせと運んできてくれました。何回も小分けにして運ぶ姿はとても頼もしく、真剣な表情でした。心からありがとうと伝えました。

みんな自分の食べた食器は自分で洗うという目標、全員ができる日まで根気強く見守りたいと思います。

今日の大発見

おいらせもりのようちえんプレオープンの最初の日、一番ぶつかることが多くて、一番一緒に遊んでいたのは三歳コンビの男の子と女の子。

どちらが塵取りを持つのか、太鼓のバチにしたフキを交換するしない、滑り台の優先順位、ドングリがいるいらない等々。

二人の今日一番の発見は、滑り台の滑り方。

どちらが滑るかでもめていて、片方が滑ると、片方が泣くという状況でした。大人も見守る中、たまたま滑り台に半分腰かけたら二人座れて、一緒に滑ったらすごくすごく楽しかったみたいなのです。何回も二人で一緒に滑っては大笑いしていました。横に並んで滑ったり、縦に抱っこしあって滑ったり。大人から言われるのではなく、自分たちで面白いことを発見できたことも嬉しかったようです。

そして、ハジメテの今日は、人見知りと場所見知りも相まって、お母さんに甘えたい子も続出しました。いつも来ていたはずの五歳の女の子と、三歳の男の子が赤ちゃん返りのようにぐずったり、甘えたりする時間が多かったのです。初めて参加した子の大きな変化は感じ取れなかったけれど、それぞれのお母さんはいつもとは違う様子を察知していた人もいました。

保育の先生は、それが当たり前だと、心配はいらないとお母さん方に話してくださいました。

みんないつもハジメの一歩です。小さな一歩で、たまに二歩か三歩後ずさっちゃうこともあるけれど、大丈夫大丈夫。

帰る間際、五歳の女の子と三歳の男の子がもめて曇り顔でした。

「みんな笑ってなかった時は、こちょこちょしちゃうぞー」

と約束通りこそぐり合って、ついつい二人も大笑い。

笑うきっかけがなかっただけで、ケンカを引きずったまま帰るのは二人とも本当は嫌だったみたいです。

しばらくこちょこちょして、いつものように何回もハイタッチして笑顔で別れました。

 

「みんなでわらおう」

良い約束が出来ました。

 

 

 

追伸

『ぼちぼちいこか』(マイク・セイラー作)という絵本があります。

可愛いカバ君は、色々なことに挑戦し、ことごとく上手くいかないのですが、失敗した時も明るく関西弁で「また、だめやったわ」と言います。

「ま、ぼちぼちいこか、ということや。」とハンモックで一休みして絵本は終わります。

先日道に迷って、時間に間に合わない時がありました。

「あー間に合わない。ごめんね。」と運転しながら子どもに伝えました。

「ママ、ぼちぼちいこかー」と言われました。

すーっと肩の力も抜けて、ついつい笑ってましいました。

上手くいかない時、心の中でつぶやいたり、声に出してみるのもいいかもしれません。