2018.6.20 平日もりのようちえん開催へ向けて ~野原の散歩とピザづくり~

今日は、久しぶりの20度をこえるくらいの寒くもなく暑くもなくちょうど良い一日でした。

こんな日が一番外遊びは気持ちがよくて、最高です!

だからなのか、気分も良くて子ども達はたくさん木登りしましたよ。

木の上から見る景色はどんな世界が広がっていたかな?

有ることも無いことも同じように受け止めよう

集合場所について今日一番みんなが楽しみにしていたのは「桑の実」

五歳の女の子が出だしからなんだか不機嫌です。どうしたのか聞いてみると、桑の実が数粒しか熟していなかったので、みんな一個ずつくらいしか食べれないことが嫌だったとのこと。よほど楽しみにに来たのでしょうね。みんなで探したのですが、やはり一粒、二粒しか見当たりません。

自然のことだからしょうがない。気を取り直して朝の挨拶をしました。気分が変わるように手をつないで輪になって歌を歌ってスタート。

「さぁ、今日も元気に始めよう!」

と気を取り直して、目線をみんな空に向けたところで、 三歳の男の子が叫びました。

「あっ!桑の実が沢山なってる!!」

モミジ苺のイメージで背丈程の目線でしか探していなかった桑の実が、地上はるか上にたわわに実り、半分くらいが熟していました!みんな歓喜の声をあげましたが、どうやって採ればいいか悩ましい高さです。

一人挑戦してみましたが、ツタウルシやトゲトゲ植物に阻まれて今回はあきらめました。

難しいけれど、有るものも無いものも同じように受け止めよう。「無いこと」をあきらめて受け入れた時に、「有ること」が生まれたりする。「有ること」が当たり前になったとき、「無いこと」に気づくこともある。自然はきっとちょうど良いタイミングですべてを与えてくれるのだと思います。

森でフォレジングを楽しみました!

桑の実が目線よりも高い位置にあったからか、いろいろな木の実が目に入るようになりました。

視野が広がると楽しみも広がりますね。なんと六月なのに桜が可憐に二輪咲いていました。出遅れたけど、最終ランナーを楽しんでいるかのように堂々と咲いていましたよ。ちょっと嬉しくなりました。

「この実は食べられるの?」

「 この実は何?」

自然にも詳しい保育の先生が教えてくださいました。

・黒い実 桑の実、美味しい美味しい甘ーい実、次回の収穫に期待

・赤い実 ヘビイチゴ、見た目は可愛いけど美味しくない

・オレンジの実 モミジ苺、甘酸っぱい魅惑の実

・緑の実 ナナカマド、食べられません

・ピンクの実 桜の実、紫になると食べられる、サクランボのような味

二歳のモミジ苺の姫が一番たくさんの実を食べていたかな?フィンランドではこのような自然の実を採集することをフォレジングというそうですよ!フィンランドの森の話に大切なことが書かれていたので長文ですが抜粋し紹介します。今度から格好いいから、フォレジングしてきたよと皆に言おうかな♪

北欧フィンランドでは、森を楽しむ風習が根付いているそうです。敷地内に森がある人だけでなく、誰もが森でベリーやキノコ、花を採取することができます。慣習法として誰もが自然を享受できる権利が法律で定められているからです(エブリマンズ・ライト=自然享受権)。国立公園も私有地も、土地の所有者に損害を与えない限りにおいて、通行し、滞在し、自然の中で一時的に遊ぶことが許されています。土地の所有者に対価を払うことなく、毎年実る自然の果実やキノコ、花を採取もできます。ただし、倒木やコケや地位類など、森の存続を妨げるものはとってはいけない。野生の木の実等を採ることをフォレジングと言い、フィンランドの若者の間で流行っているそうです。子ども達も学校で、その権利と実践について詳しく学ぶといいます。自然破壊や他人に迷惑をかけること等禁止事項も定められていて「秩序ある自由」を小さな時から学び実践しているそうです。

このフィンランドの森についての記事を読んだ時に印象的だったフィンランドの方のコメントがあります。

「森は大きな存在であり、愛する対象というよりは、抱かれるもの。私は、いつも森と会話をしているけれど、森は必ず返事を返してくれる。森には宝物がいっぱいです。」

「祖母の世代まで受け継がれてきた自然に近い暮らしの知恵を、今、私たちは忘れかけています。それを、次の世代につなげていきたい」

(AGORA 2018.6「 ベリーを摘みに」より抜粋)

登れるものはのぼっちゃおう

フォレジングが一段落したところで、自然の切り株椅子を発見しました。座るのかと思いきや上り始めて、運動会なのかサッカーワールドカップなのか、表彰式が始まってしまったので、三人に見えないメダルを授与したらニコニコ笑顔で次の遊び場を求め走っていきました。

小さな虫はお友達

小さな小さなテントウムシの赤ちゃんを発見。お手てを丸くして、大事に捕まえて散歩に同行していました。時々脱走するので、同じテントウムシか、はたまた違うやつか、みんなでテントウムシが居なくなるたびに木の幹を探して大騒ぎでした。

高い所は苦手ですか?

ずっと気になっていた空に続くような塔に登ってみることに。しかし、自称高所恐怖症の年長二人が怖いと途中で引き返してしまったので、途中からの眺めを望んで、地上に帰りました。

子どもはまねっこ名人

目下に見える池に綺麗な蓮の花が咲いていました。次回そこで遊べたらいいなぁと皆で話ました。写真を撮ろうと柵を乗り越えたら、子どもに注意を受けました。「そんなことしたら駄目だよねぇ!!危ないよぉ!!」と。いつも駄目なことを注意されている子どもたちは、大人の駄目なことにも同じ口調で注意してくれるので、子は親の鏡です。色々な意味で反省。

高い所は最高です!!

自称高所恐怖症だった年長の子どもたちですが、、、木登りを始めました。手伝ってあげながら椅子のような所まで登ると、普段の目線と違う世界が見えたのでしょうね。楽しくて、楽しくて五歳の女の子はなかなか降りてくれませんでした。

     

花冠を作りに野原へ

木からやっと降りたら地上には黄色や白の可愛い野の花たちが待っていました。お花摘みの始まりです。シロツメクサをメインにそれぞれ可愛いカチューシャや花冠、ブレスレットをつくりました。お花を摘む子どもの姿はなんて可愛らしいのかしらと目を細め、小学校の帰り道に花冠を作りながら帰った懐かしく楽しい思い出が蘇りました。子どもたちにもそんな素敵な記憶になってほしいと思います。

お花でおしゃれをしたら、もう一度木に登りたくなった子どもたち。一人で登りたいお姉ちゃんと、お姉ちゃんと一緒に登りたい男の子はちょっと揉めていましたが、一緒にのぼったら葉っぱのカメラでこちらをパシャリと撮ってくれました。

シロツメクサの別名がクローバーと知っていましたか? 四つ葉のクローバーの別名はアカツメクサだそうです。クローバーの葉には枚数によって花言葉が違うそうで、ギネス記録はお隣岩手県花巻市で五十六葉のクローバーが約10年前に発見されたそうですよ!

1、一つ葉のクローバー「困難に打ち勝つ」「始まり」「開拓」「初恋」
2、二つ葉のクローバー「素敵な出会い」「平和」「調和」
3、三つ葉のクローバー「愛・希望・信仰」
4、四つ葉のクローバー「幸運」「幸福」
5、五つ葉のクローバー「経済的繁栄」「財運」
6、六つ葉のクローバー「地位と名声」
7、七つ葉のクローバー「無限の幸福」

花言葉の意味を調べて野原にいったら、クローバの葉のコレクションも楽しそうですね♪

目指せギネス記録更新!

 

水辺に誘われ五感を刺激する

水遊び、泥あそび、砂遊び、汚れたり濡れたりする遊びは子どもにとってなんて楽しいのでしょう。

高台から見つけた池の手前で小池を発見した子どもたちは靴を脱ぎ棄て、水辺に走っていってしまいました。今回も食事の準備をする時間になっていたのですが、水遊びができるところを発見してしまっては、遊びたい気持ちは収まりません。コケを捕まえては魚を捕ったと喜んでいました。本当は裸になって泳ぎたかったそうです。それはもう少し暑くなってからね!

インドの古代科学の考え方によると、人間の体は空(空間)、風(空気)、火、水、地の五つの元素(五大元素)から成り立っているそうです。五つの元素の多くは食べ物から体に取り込まれますが、呼吸からも取り込まれます。さらに五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)を通じて環境からも五大元素を取り込むことができるそうです。

外遊びでは五感が刺激されることばかりです。

・変わりゆく葉や木の変化・危険な植物や場所の判断・花や実の色(視覚)

・小鳥のさえずりや川のせせらぎ・森の葉を踏みしめる足音・動物の鳴き声(聴覚)

・採集した実や山菜の味(味覚)

・花や葉っぱの香り・土の匂い(嗅覚)

・寝ころんだ芝生の感触・こけた時の痛さ・水や泥や土・植物や動物を触ること(触覚)

フィンランドのトーベヤンソンさんの名作ムーミンの中の自由な旅人スナフキンは言います。

「僕は自分の目で見たものしか信じない。けど、この目で見たものはどんなに馬鹿げたものでも信じるよ。」

五感を通じて感じ得たものは子どもたちにとって目に見えない財産です。ネットやテレビで色々なモノや色々な場所に行ったように見ることはできるけれど、ソコにはないものがココにはあります。

数えたらきりがないほど、自然の中では常に子どもたちの五感は刺激され、自然からのエネルギーで満ちているようにみえます。だから、もりのようちえんから帰った日は疲れているのにエネルギーに満ち溢れているのかな?

青森は今花盛り♪いろいろな花を頭につけて遊びます。大人も子どももサツキの花を耳飾りにしてベースに戻りました。

    

ベースでは先発隊の大人が先に食事の準備を始めていたので、大急ぎで全員体制で調理スタート!何度も作ったピザは子どもたちもお手の物になってきました♪ピザを伸ばして具をのせるのは子どもたちの仕事です。スープの配膳やお皿配りも協力してやってくれました。

今日は生地をお家で作って寝かせて来てくれたので、森で作ったピザの中で一番のおいしさでしたよ。失敗は成功のもと♪

   

片付けは全員で、大切なことも全員で

今日は課題だった後片付けを提案して、子どもたちにもやってもらいました。最初は渋々お皿を洗ったお姉ちゃんですが、自分の分だけで良いよありがとうと感謝を伝えると、全部洗うと最後までやり遂げてくれました。お姉ちゃんを見て、お手伝い好きの二歳の女の子はせっせとテーブルや炊事場の台を拭いてくれました。力仕事は男の子もお姉ちゃんと一緒に頑張って、イスを車まで運んでくれました。

イスを運ぶとき、お姉ちゃん的には男の子がちょっかいを出すので邪魔で仕方ないようです。少し年上のお姉ちゃんお兄ちゃんと一緒のことがしたくて、一緒に遊びたくて小さい子は一生懸命なんですよね。そこが食い違いで兄弟げんかに発展して今回も大変でした。実の兄弟ではないのですが、毎週濃い時間を過ごすうちに兄弟のように遠慮がなくぶつかるようになってきました。

保育園、幼稚園、そして公園や支援センターで子どもがぶつかり合った時、相手の親や先生に向かって文句を言う子をよく見かけませんか?子ども同士のトラブルは、子ども同士で話てほしいのですが・・・今日はお姉ちゃんの文句が男の子のお母さんに直接怒った口調で何度も何度も叫ばれました。子どものケンカに親は口出ししたくないのですが、巻き込まれて余計ややこしく、お母さんは悲しくなってしまいました。

そのことについて、振り返りの時間、子どものケンカやトラブルを小さい頃から親や先生がジャッジしてきたことの習慣なのでははないかと話がでました。いいことも悪いことも自分で考えて、判断ができるようになってほしい。誰かに判断してもらうことが習慣になってしまっては「生きる力」にはならないと思うのです。

だから、何か行動する際の大切な判断基準、みんなが守る約束事、みんなが心に落とし込める共通認識、子どもたちと一緒に全員考えてみることにしました。

次回は6月29日金曜日、もりのようちえんプレオープンの日に大切なことを話し合います。

毎週毎週関わっていくことで、子どもも大人も学びあうことがとても多いです。自然の中でウソはつけません。大変な時こそ素の自分が出てきます。単発で参加していただくことも大歓迎です!ただ、もしよければ毎週参加されることをお勧めします!実践と振り返りを繰り返すことで、親子間の学び、子ども同士の学び、何か言葉にできない財産が増えてくると思うからです。是非一度遊びにいらっしゃいませんか?

スナフキンは言います。

「そのうち、なんて当てにならないな。今がその時さ!」

もりのようちえん少しでも気になっている方は、今がその時かもしれません。

延長戦では、虫取りアミで遊び、芝生の上でマットをしいて少しヨガをしました。呼吸で五大元素少し取り込めたかしら?裸足で芝生を駆け回っていた子供たち。真似っこする子どもたちと一緒に裸足で地面を踏みしめ身体を伸ばした大人たち。とっても気持ちのいい時間を過ごしました。気持ちよすぎて写真を撮るのを忘れていました。悪しからず。

<もりのようちえんプレオープン>

【日時】6月29日(金)9時30分~13時頃
※以降、基本的に毎週金曜日に開催します。

自然の中で自由に遊び、こどもの発想力、調整力、挑戦する気持ち、危険を察知する力が育つ場を作ります。

全てはこどもの生きる力を育むために。
楽しくって、おいしくって、ケンカもして、ゆっくり考えて、最後にはみんなまんまる笑顔になるような
そんな場を、一緒に作っていきませんか??

初回の今回は、みんなの約束事、共通認識を作ります。

https://reserva.be/moriyou/reserve…

 

(おいらせもりのようちえん ブログ担当 まな)